突然の地震や火事、予想しないアクシデントなどで一時的に頭が混乱し、軽いパニックになることは誰にでも起こりうる事です。ところが何の原因もなく、ある日突然、激しい不安に襲われたり、胸がドキドキして動悸が激しくなったり、息が苦しくなったり、激しいめまいがするなどの発作が起こり、日常社会生活に支障をきたす状態になる事のある病気をしっていますか?色々と検査を受けても異常が認められず、「性格」や「気持ちの持ち方」と思われやすく、本人自身も周囲も「病気」と気づかずに苦しむもので、「パニック障害(Panic Disorder)」といいます。
発病には、過労やストレスなどが強く関係していると言われており、それが引き金となり脳内の神経伝達物質のバランスが乱れて起こると考えられています。この病気に罹っている人は多くいると考えられていますが、病気に対する情報も少なく、周りの理解も得られずに苦しんでいる方がまだまだ多いのが現状です。
パニック発作は思いもかけないときに起こります。そのため「また発作が起こるのではないか」「怖い」「発作がきたらどうしよう」などという不安をいつも感じるようになります。この予期不安が再びパニック発作を招いてしまう事になり、繰り返してしまうようになります。
パニック発作は適切な治療を受けることで必ず治る病気です。早期に治療を始めるほど効果があります。適切な治療を早く受けて病気の慢性化を防ぐことが大切です。最近では、副作用の無い新しいお薬もどんどん出てきており、効果もとても優れています。治療には通常、3〜6ヶ月かかります。そして症状がなくなった後も、半年から1年はお薬を服用します。その後、半年から1年程度かけて少しづつお薬を減らしていきます。
いずれにしろ「必ず治る病気」ということを知っていただき、「はやく気付き」「すぐに専門医にかかる」「自分の判断で薬をやめない」が大切なポイントです。 |